ステレオタイプに囚われず
美しいと思う女性の品性と意志を描く
佐伯 ゆう子 イラストレーター
3月8日は、女性を祝福し、「女性の生き方」を考える国際女性デー。様々な分野で活躍する6名の女性たちにインタビューを行い、女性の美しさの可能性について語っていただきました。さらに、自由に自分らしく、しなやかに生きる女性たちの魅力に迫ります。
佐伯 ゆう子(イラストレーター)
広告や書籍、雑誌媒体の連載、ファッションブランド、コスメやフードのラッピングペーパーなどにイラストレーションを提供。ドローイングやウィンドウペインティングを軸に様々な企画に携わる。
@saekiyuko
yukosaeki.com
佐伯さんが考える女性の美しさ
「意思のある女性に魅力を感じ、媚びない笑顔や自信のある表情から滲み出る品性を描きたいと思っています。私が描く女性は日本で俗に言う“かわいい”ではなく三白眼だったり、ふとした表情だったり。女性のタイプに幅を持たせて描く方がしっくり来ます」
佐伯さんはイラストレーターとして、人の価値観に絵が及ぼす影響力の大きさを感じてきた。出来る限りいい影響を与えたいと、手がける絵に自立した女性や様々な人種やジェンダーの人を描くようにしてきたという。
「zine*を2冊作ったのですが、『Beautiful girl』は美人かではなく、どんな女性も魅力があって綺麗がテーマ。また『 Time of the month journal』はPMS(月経前症候群)を友達に語るような切り口で作りました。いずれも語られて来なかった女性の一面、美しさをちょっと笑えるユーモアを交えて描いています。手に取った方から、共感のリアクションがあると嬉しいですね」
*個人やグループが自由な手法やテーマで制作した冊子のこと
「美」を表現したアイテム
WEB 限定インタビュー
佐伯さんのお仕事とライフスタイル
売れっ子の佐伯さんだが、イラストレーターとしてキャリアを歩み始めたのは意外にも30代を迎えてから。アパレルの仕事などをしながら絵の学校である青山塾に通い、修了後はデザイン事務所内にデスクを間借りし、少しずつ絵の仕事が舞い込むように。
「最近はイラストレーションの提供だけではなく、コスメやお菓子のパッケージに使うボックスや包装紙の制作依頼も増えてきました。様々なプロジェクトで、自分の絵が立体的になる喜びを噛みしめています。今後は、教育者の友人と児童書や絵本を作ってみたいと考えています」
去年から東京都と神奈川県の2拠点生活を送る。山の中のリノベーションした家で暮らしながら、仕事の必要に応じて東京に戻るのだそう。
「花や鳥、虫を見て季節の移ろいを感じながら、太陽が昇ると起きて、沈むと眠る。そんな生活に幸せを感じます。特に、土曜にゆっくりご飯を作っている時間は贅沢だなと感じます。一方で、東京の面白さを再発見することもあるんですよ」
お仕事で欠かせないアイテム
Photo_Okabe TokyoIntervIew&text_Aika Kawada