STORY

PEOPLE

今のその人にとっての
最適解を提案したい

倉田聡子 ディレクター/ヘアスタイリスト

3月8日は女性の功績を祝福し、女性の生き方を考える「国際女性デー」。今年のキーワード「SENSE/感覚」をテーマに、しなやかな美しさを携えた5名の女性クリエイターたちのインタビューをお届けします。彼女たちの表現や、彼女たち自身が持つ美しさの背景には、どんな感性が息づいているのでしょうか。

倉田聡子
SATOKO KURATA
(ディレクター/ヘアスタイリスト)
都内のヘアサロンで勤務ののち、27歳で「THE REMMY」に転職。アシスタントから再出発した。難易度の高いベリーショートやデザイン性の高いヘアカラーの技術に定評がある。
@sat0k0_k


SENSE

一人ひとりに向き合い、その人になったと想像して、自分だったらこんなスタイルをしてみたいと考える。「自分の髪を通して自分自身を好きになる、そんなきっかけを手渡したい」。



INTERVIEW

倉田さんのお客様は9割が女性。20代から70代までの幅広いファンを持つ。「程よい距離感だからか、お客様が様々な身の上話をしてくださいます。なかには小説さながらのドラマティックなお話も多くあって、逆境の乗り越え方やものごとの捉え方を伺っていると勉強になることが多いんです。自分を強く持って、自己解決できる人は美しい。お客様に学ばせてもらっています」。

カラーやパーマなど、得意とする技を絞る美容師も多いというが、倉田さんはオールラウンダーだ。「アーティスティックなカットをしそうに見られることもありますが、全然そんなことないんです。私が大切にしているのは、お客様一人ひとりの個性──顔立ち、骨格、髪質など──を捉え、チャームに変えていくこと。たとえば癖毛や白髪をコンプレックスに感じていらっしゃる方が沢山います。しかもその原因が、美容師に昔言われた何気ない一言だったり……。そういった思い込みを取り除ける、良き理解者でありたいです。だから、必ず事前に仕上がりのイメージを明確にし、納得してもらってから施術に入ります」。

ベリーショートや独創性のあるカラーの依頼も多く、自分自身で率先してそのスタイルを試し、実体験をもとにアドバイスする。「他のサロンではできなかったスタイルが、ここではできたと喜んでもらえることも多いんです。髪型には人生を変えるほどの力がある。お客様が胸を張れるようなアイデンティティのあるスタイルを、一緒に作っていけたら」。


WEB LIMITED

おしゃれなファッショニスタの雰囲気を持つ倉田さんだが、何かを選ぶ基準はいつも“人”。「この人の接客が好きだなぁと思ったら、その人から買います。私もそうやって応援してもらってここに立てているから、同じように感謝で返したいと思うんですね。趣味で器を集めているんですが、同じものがふたつとない益子焼が好きで。これも、作家さんのこだわりを聞くのが楽しくて、ピンと来たら買っています」。今は40代に向けて、美容師としての自分自身をどうブランディングしていくか考えている時期だという。「もともとそんなにポジティブな人間ではなくて。これまでも失敗して、反省して、自己分析して改善してという、その繰り返しのなかで少しずつ自信をつけ、自分らしさを見つけてきました。『人に必要とされる仕事がしたい』とずっと考えてきましたが、鮮度の高さが求められる美容師という枠のなかで、どうイメージを作っていくか。直感を大切にしながら、少しずつ考えていきたいです」。

Interview&text_AYANA
Photo_Mizuho Takamura

INFORMATION

SEE/SAW ヘアケアがリニューアルしました。
2023年5月18日以降の新デザインと価格改定についてはこちらをご確認ください。

※WEBページには、一部、旧デザインのパッケージが掲載される場合がございます。あらかじめご了承ください。