STORY

PEOPLE

オタクを突き詰めた
先にある孤高の領域

市川渚 クリエイティブコンサルタント

3月8日は女性の功績を祝福し、女性の生き方を考える「国際女性デー」。今年のキーワード「SENSE/感覚」をテーマに、しなやかな美しさを携えた5名の女性クリエイターたちのインタビューをお届けします。彼女たちの表現や、彼女たち自身が持つ美しさの背景には、どんな感性が息づいているのでしょうか。

市川渚
NAGISA ICHIKAWA
(クリエイティブコンサルタント)
ファッションデザインを学び、PR職から独立。企業、ブランドのPR企画やディレクションに携わる一方、フォトグラファー、動画クリエイター、文筆家、モデルなど多方面で才能を発揮。
@nagiko


SENSE

モード、デジタル、ブランディング。すべてのプロフェッショナルである市川さんだからこそ成し得たハイブランドのプロモーションムービー制作では、撮影から出演、キャプション入れまでをすべて自分で行った。


Youtube by Nagisa Ichikawa

市川さんの身の周りの出来事やこだわりを感じられるVLOG、偏愛を掛け合わせたパーソナルワーク。ぜひ、自分らしさを表現するヒントにしてみて。

FASHION FEATURE
TRAVEL VLOG
WEEKEND VLOG

INTERVIEW

ハイファッションやデジタルの分野でコンサルティングや企画ディレクションを手掛けてきた市川さんだが、ご本人の写真や動画、文章の才覚が認められ、近年ではパーソナルワークが9割近いという。「趣味でやってきたことばかりなので、仕事になっているのが不思議です。ただ私は自他共に認めるオタク気質で、興味を持ったらどこまでも突き詰めるタイプ。クライアントの仕事でよりよい表現を追求するうち、技術や感性が磨かれたのかも」。パンデミックの影響も大きく、時間ができて、自分から発信しようとVLOGやエッセイ、ラジオなどにも取り組んだことが今の活躍に繋がっている。

かつてファッションデザイナーを志していた市川さんは、服が大好き。モードの世界が持つ独創性や、ものづくりへの真摯な姿勢への理解が深い。かつては別の領域にあったファッションとデジタルの距離がこの10年で急速に縮まり、両方を得意とする市川さんに光が当たったのは必然だったといえる。「偏愛しているものを掛け合わせた、自分にしかできない表現が認められるのはとても嬉しいです。これまではクライアントの利を考えて表現を追求していたけれど、今は名前を出した表現が多いので、“私らしさをどう出すのか”という課題に取り組んでいるところ。私が持つ作家性ってなんだろう? と。強いメッセージを押しつけるのではなく、誰かの思考や判断のヒントとなる、ささやかなきっかけになるようなものを作っていきたいです」。


WEB LIMITED

市川さんの視点は常に真摯だ。どうしたらもっと良くなるか? を突き詰めることに妥協しない。それはオタクの精神ということでもあるが、その姿勢が彼女の創作に崇高な一貫性を宿らせる。「理由があって、そこに説得力のあるものに美しさを感じるんです。たとえば自然のなかにあるもの。植物の芸術的なフォルムには太陽の向きや気流が関係していますよね。私はデジタル周りのプロダクトをデザインすることもあるのですが、機能性を追求すると、結果審美性も高まるということを実感しています」。最近のめり込んでいるのはアナログカメラだ。「デジタルで10年撮ってきて、ちょっと行き詰まりを感じていたところに、ずっと探していたライカのボディが売っているのを見つけて。今撮り始めて4ヶ月くらいですが、コツが掴めてきたところ。以前はアナログカメラなんて興味ないと思っていたのですが、わからないものですね。久々に新しい表現方法を手に入れてワクワクしています」。

Interview&text_AYANA
Photo_Mizuho Takamura

INFORMATION

SEE/SAW ヘアケアがリニューアルしました。
2023年5月18日以降の新デザインと価格改定についてはこちらをご確認ください。

※WEBページには、一部、旧デザインのパッケージが掲載される場合がございます。あらかじめご了承ください。